• 火. 5月 14th, 2024

防災シェルターとはなに?魅力や注意点をわかりやすく解説します

防災シェルターとはなに?魅力や注意点をわかりやすく解説します

地震大国といわれる日本では、もしもに備えて地震対策が欠かせません。防災シェルターは地震に加えてさまざまな災害を想定した構造で、手軽におこなえる地震対策として今注目を集めています。そこで今回は、防災シェルターの種類や魅力、設置する際に注意すべきポイントを確認していきましょう。

防災シェルターとは

地震や津波、洪水、土砂崩れなどさまざまな災害に備えた設備が、防災シェルターです。基本的に災害が起きたとき、地域で指定された避難場所に逃げなければいけません。しかし、状況的かつ身体的に移動が大変だったり突然地震が発生したりしたときは、避難場所に逃げる時間がないこともあります。

このような状況に備えて自宅の中や庭先に設置するのが、防災シェルターです。生存空間を準備しておくことで、災害から命を守れます。海外では災害に備えてシェルターを設置する家庭は多いですが、日本ではまだ普及していないのが現状です。ただし、自然災害が多い日本ではもしもに備えて災害用のシェルターの設置を検討する人が増えています。

防災シェルターと防災リフォームの違い

防災リフォームとは、家全体が地震に耐えられるように補強工事をおこなうことです。耐震性を高められるので、地震が起きても被害を最小限に抑えられます。施工すれば安心安全に生活できますが、施工費用は高額になることが多いです。

また、工事期間中は仮住まいを借りて生活しなければいけません。一方、防災シェルターは自宅に取り付ける比較的簡単な工事なので、工期も短く施工費用もそこまで高くありません。ただし、家全体の耐震性は防災リフォームに比べると劣ります。

防災シェルターの種類

防災シェルターの種類

災害に備えた地震対策として有効な防災シェルターですが、さまざまな種類があります。それぞれ特徴が異なるため、選び方を間違えると使いづらさを感じることもあるはずです。防災シェルターの種類は、部屋型・ベッド型・テーブル型があります。それぞれの特徴を確認していきましょう。

部屋型

自宅の一部屋に組み立てて丸ごと補強するのが、部屋型防災シェルターです。室内に取り付けなければいけないため、施工は2日間かかります。ほかの場所に一時的に引越しするのではなく、住みながら工事を進める場合は20日かかることもあります。

部屋型防災シェルターの魅力は、災害が起きたときにすぐに逃げ込めることです。また自宅の中にあるシェルターなので、安心して過ごせます。ただし、賃貸物件の場合は取り付けられない場合もあるので管理会社に事前に相談しましょう。

ベッド型

自身が寝るベッドに取り付けるのが、ベッド型防災シェルターです。一般的なベッドの形状のほかにも介護用ベッドもあるので、寝たきりの家族がいる場合に安心して使用できます。地震が突然起きてもすぐに安全な場所に逃げ込めるのが特徴です。

また、寝たきりの家族がいると長期的な移動が難しいこともあります。このような場合におすすめなのが、ベッド型防災シェルターです。大掛かりな工事を必要としないため、賃貸物件に住んでいたり手軽に地震対策したかったりする場合に適しています。

テーブル型

日常使いできる防災シェルターがテーブル型です。地震が突然発生したとき、テーブルの下に身を隠して安全を守る人も少なくありません。しかし、一般的なテーブルは耐荷重が小さいので、家具や天井が倒れてきても身の安全を守れないことも多いです。

テーブル型防災シェルターは特殊天板を使用しているため、一般的なテーブルと比べると耐荷重が大きくなります。建物が崩壊しても耐えられるように強化されているので、地震が起きても安心です。ダイニングテーブルのような形状なので、普段はテーブルとして使える使い勝手の良い商品です。

防災シェルターの魅力

地震対策はさまざまな方法がありますが、なかでも防災シェルターは多くの魅力があります。防災シェルターの魅力を確認していきましょう。

  • 工期が短い
  • 費用が安い
  • 自宅に設置できる

工期が短い

通常、耐震補強工事は1ヶ月程度かかります。工事内容によっては6ヶ月かかる場合もあり、基本的に施工期間が長くなるのが特徴です。一方、防災シェルターは大規模な工事は必要ないため、数日間で施工が完了します。工期が短いと隣人に迷惑をかけないので、マンションでも工事をしやすいです。

また、自宅に組み立てる部屋型やベットの横に取り付けるベット型など比較的簡単な施工なので、住みながら工事を進められます。わざわざ仮住まいを用意する必要がないため、施工するにあたって面倒な準備は必要ありません。無駄な出費も抑えられるので、コストを抑えたい場合にも最適です。

費用が安い

通常の耐震補強工事よりも施工費用を抑えらえるのも防災シェルターを選ぶ魅力です。耐震補強工事の場合、200万円程度が相場になります。多額の費用を用意する必要があるので、経済的な理由で耐震補強工事を諦める人も少なくありません。

防災シェルターの施工費用は、90万円が相場です。通常の耐震補強工事に比べると半分の費用で施工できるので、比較的安く工事できます。金銭的な負担をかけずに防災シェルターを取り付けられ、安心した生活空間を手に入れられます。

自宅に設置できる

防災シェルターは、自宅に設置することが可能です。たとえ家を建て替えたり新しい家に引越ししたりしても、転居先でも再度取り付けられます。場所が変わっても再利用できるのは、防災シェルターを選ぶ大きなメリットです。ベッド型やテーブル型の防災シェルターを選べば、大規模な工事を避けたいマンションでも取り付けやすくなります。

防災シェルターの注意点

防災シェルターの注意点

多くの魅力がある防災シェルターですが、いくつか注意点があるのも事実です。通常の耐震補強工事より施工費用を抑えられるとはいえ、取り付けには多額の費用がかかります。注意点を踏まえたうえで、防災シェルターを設置するのか検討しましょう。防災シェルターの注意点は、次のとおりです。

  • 家全体の耐震性は高められない
  • 圧迫感や閉塞感を感じる

家全体の耐震性は高められない

残念ながら、耐震性を上げられるのは防災シェルター部分のみです。防災シェルターを設置したからといって家全体の耐震性は上がりません。大規模な地震が起きたときは、シェルター以外は破壊してしまうおそれがあるので注意が必要です。また外出中に地震が発生した場合は、自宅に戻るまでに時間がかかるので怪我をするリスクもあります。

圧迫感や閉塞感を感じる

部屋型防災シェルターの広さは、一般的に4~6畳程度です。施設内は広くはないため、長時間いると圧迫感や閉塞感を感じるかもしれません。狭いところが苦手な人にとって過ごしにくい環境になります。また、防災シェルターは地震から身を守るために密閉性が高い構造です。密閉性が高いと外気を中に入れられないため、風通しが悪くなります。

まとめ

日本は世界的にも地震が多い国です。大規模な地震が起こると、建物崩壊や火災発生、土砂崩れなどさまざまな被害を受ける可能性があります。安心安全に生活するためにも地震対策は欠かせません。

防災シェルターは、一般的な耐震補強工事より施工費用が安く工期も短いです。また、自宅に設置できるので地震が起きたらすぐに逃げ込めます。シェルターには様々な種類があるため、それぞれの特徴を理解して適したものを選びましょう。

Taiyo

私はプロの編集者です。本や雑誌、ウェブサイトなどの文章をチェックして、誤字や文法の間違いを直したり、わかりやすくしたりします。編集者になる前は、ジャーナリストとして働いていました。文章を書くのが好きで、読者に役立つ情報を伝えることにやりがいを感じます。趣味は読書と旅行です。