空き家を所有していても管理費や固定資産税がかかるので、早く手放したい人も少なくありません。空き家を処分する方法はさまざまですが、買取も選択肢のひとつとして挙がるはずです。今回は、空き家買取の相場や売る際のポイントを解説します。
参考:空き家の買取とは?損せず売却するためのノウハウをプロが解説
空き家買取の相場
空き家を売る場合、仲介価格の50〜80%程度が相場になります。買取の価格相場に幅があるのは、空き家の状態によって変わるためです。たとえば、簡易的なリフォームで販売できる空き家は仲介価格の80%程度で高めに転売できます。一方、空き家の状態が悪く取り壊しが必要な物件の場合は、仲介価格の50%程度になることがあります。
空き家を放置するリスク
空き家を転売しなくても被るリスクはないと考える人もいるはずです。ただ、金銭的かつ精神的な負担が多くなるので放置するのはおすすめしません。空き家を放置するリスクは、次のとおりです。
- 維持管理費や固定資産税がかかる
- 老朽化が進んで資産価値が下落する
- 損害賠償を請求される可能性がある
- 空き家が犯罪に悪用されてしまう
維持管理費や固定資産税がかかる
実は空き家は保有しているだけで、維持管理費や固定資産税がかかります。維持管理費とは空き家を維持するためにかかる費用で、固定資産税とは所有する固定資産に対して課せられる税金のことです。その費用は年間にすると数十万円に上りますが、空き家の保有者は支払い続けなければいけません。
そのほかにも解約しなければ、水道料金や電気料金の基本料金がかかります。自分で管理する場合には、毎月交通費も発生するはずです。逆に、管理を委託する場合は年間数十万円の毎月発生します。個別に見ると大きな額ではありませんが、数年放置すると多額の費用がかかるので注意が必要です。
老朽化が早く進行し資産価値が下落する
空き家は人が住んでいないため、老朽化が早く進行することがあります。空き家の老朽化が進みやすいのは、人の出入りがなく喚起されないためです。室内に湿気が溜まりやすく、木材の腐敗スピードが加速してしまいます。老朽化が進行すると資産価値が落ちるので、高く転売できません。少しでも高く転売したいなら、早めに売却を検討しましょう。
損害賠償を請求される可能性がある
近隣住民との間でトラブルが起こり、損害賠償を請求される可能性があります。よくある近隣住民トラブルには、不法投棄されるゴミの悪臭問題や管理不足による景観悪化や害虫繁殖などさまざまです。
人が住む住宅に比べると空き家は老朽化が進みやすいので、自然災害が起きると建物が崩壊して通行人が怪我してしまう可能性もあります。場合によっては、近隣住民から損害賠償を請求されることもあります。空き家を適切に管理できない場合は、早めに空き家を手放すことを検討しましょう。
空き家が犯罪に悪用されてしまう
空き家は人が住んでいないので、犯罪に悪用されてしまうことがあります。犯罪に悪用されやすい空き家には、人が住んでいないことがわかる状態であるという共通点があります。たとえば、窓が割れていたり草木が伸び放題だったり、町外れの場所にあったりする空き家に該当する場合は要注意です。
大麻などの違法薬物を栽培したりオレオレ詐欺の現金の受け渡し場所だったりなど、犯罪の拠点として悪用されることがあります。場合によっては犯罪に巻き込まれれば、空き家の資産価値も大幅に下落するので転売を検討する場合は注意しましょう。
空き家を高値で売るポイント
空き家を転売する際、少しでも高く売りたい人もいるはずです。空き家はポイントを押さえるだけで、高値で売れることもあります。空き家を高値で売るポイントには、次のようなものがあります。
- オンライン査定は写真を用意する
- 売却前に自分で残置物の撤去をする
- 複数の買取業者に査定を依頼する
- 買取価格の交渉をしてみる
オンライン査定は写真を用意する
遠方にある空き家の場合は、オンライン査定をおこなうこともあるはずです。オンライン査定の場合、空き家の外観や内観の写真を準備しましょう。写真がない状態でオンライン査定を受けると、文字情報だけで判断されてしまう可能性があります。
たとえ築年数が長い空き家でも、外観や内観が良ければ、高く査定してもらえる可能性もあります。またオンライン査定は買取業者が出張する労力や費用を抑えられるため、積極的に買取してくれる業者も多いです。少しでも空き家の初見を良くするために外観や内観の写真を用意しておきましょう。
売却前に自分で残置物の撤去をする
実は空き家専門の買取業者の場合、残置物を残したままでも買い取りしてもらえることが多いです。ただ、売却するときに空き家に残置物を残したままにするのはおすすめしません。なぜなら、空き家の残置物の撤去には費用がかかるためです。
撤去費用を負担したくない業者の場合は、買い取りを見送られてしまう可能性があります。売却前に自分で残置物を撤去すれば、その分だけ少し高値で買い取ってもらえることも可能です。残置物の量にもよりますが、できる限り自分で撤去しましょう。
複数の買取業者に査定を依頼する
買い取り業者を選ぶときは、1社で決めるのはおすすめしません。買い取り業者によって買取価格が異なるため、複数の業者に査定を依頼して相場を理解することが大切です。その中からもっとも高い買取価格を提示してくれた業者を選ぶ方法があります。
買取価格の交渉をしてみる
直接買取価格の交渉をするのは気が引ける人も多いですが、ストレートに交渉するのも方法です。基本的には過去の事例に沿って査定しており、金額交渉に応じられない業者もいます。ただ、なかには金額交渉に対して前向きに検討してくれる業者もいるので一度試してみるのもおすすめです。
営業担当者の見極め方
好条件で空き家を売却するには、信頼できる営業担当者を見つけることが大切です。信頼できる営業担当者に対応してもらえば、スムーズに話が進むことも多いです。営業担当者を見極めるときにおさえておきたいポイントは、次のとおりです。
- 聞き上手で話しやすい
- 隠し事なく説明してくれる
- 査定金額の根拠を示してくれる
聞き上手で話しやすい
売却する側の希望条件をしっかり聞いてくれる営業担当者を選びましょう。話しづらい営業担当者の場合、希望条件を聞いてくれないだけでなく売却までに時間がかかることもあります。実際に依頼するとなると密にやり取りする必要があるので、相性の良い営業担当者を見つけることが大切です。
隠し事なく説明してくれる
売却する側に良いことばかりではなく、悪いことも隠さず話してくれる営業担当者を選びましょう。良いことばかり伝えてくる営業担当者の場合、契約直前で不利な条件を提示してくることもあります。良い面ばかり説明してくる営業担当者には、率直に悪い面やリスクを聞いてみるのがおすすめです。
査定金額の根拠を示してくれる
誠実な営業担当者の場合は、査定金額の根拠を丁寧に説明してくれます。丁寧に説明してくれるのは、売却する側の不安を取り除きたいと考えているためです。逆に根拠のない査定結果を提示する営業担当者は、契約したいために話をうやむやにします。契約後のトラブルを回避するためにも、空き家を売却するときは誠実な営業担当者を選びましょう。
まとめ
空き家の買取相場は、仲介価格の50〜80%程度です。空き家の状態が悪い場合は、仲介価格が下がることもあります。ただし、売却前に自分で残置物を撤去したり複数の買取業者に査定を依頼して比較検討したりすることで高く売れる可能性もあります。準備を整えて空き家の売却を進めましょう。