散骨とは、遺骨を粉状にして海や山などに撒く供養方法のことです。自然に還りたいという方や、次の世代に負担をかけたくないという方から近年注目を集めています。
今回は、散骨のメリットやデメリットを合わせて解説。散骨に興味がある方の参考になれば幸いです。
内容
散骨とは?
散骨とは、火葬後の遺骨を砕いて粉状にして、自然に撒く供養方法のこと。その歴史は古く、日本では奈良・平安時代ごろには行われていたといわれています。
現代の日本では、遺骨はお墓へ埋葬するのが一般的です。しかし近年、ライフスタイルの変化や経済的な理由から、お墓についての考え方も変化してきています。それに伴い、散骨の注目度が増えてきているようです。
散骨のメリットは?
従来の方法にとらわれず、散骨を希望する人は増えてきています。ここからは、散骨の具体的なメリットを3つに分けて解説しましょう。
コストが抑えられる
一般的には火葬された遺骨は骨壺に納め、四十九日や一周忌など法要のタイミングでお墓に納骨されます。そのため、お墓そのものの費用はもちろん、お坊さんのお布施やお車代など、さまざまな費用が必要です。
お墓に納骨した後も、お寺や管理事務所などへ定期的に維持管理費を支払います。もしお墓が破損してしまったら、修繕費用も支払わなくてはなりません。それに対して散骨は、お墓の管理費や修繕費などが必要ないため、経済的な負担を抑えることが可能です。
お墓の管理をしなくてよい
お墓は基本的に野外にあるため、雨風によって汚れがすぐについてしまいます。汚れを放置すると、カビが生えたりシミができたりする原因に。そのため、お盆やお彼岸などのタイミングで、年に2~3回はお墓を掃除するのが一般的です。
遠方にお住いの方や忙しい方にとっては、お墓の管理は大きな負担になります。散骨はお墓の管理をする必要がないため、次の世代に負担をかけないのが大きなメリットといえるでしょう。
故人の思いを尊重できる
散骨を希望される方の中には、自然に還りたいという考えのほか、親族との折り合いが悪く同じお墓に入りたくないと思う方も。また、近年は家や宗教などの考え方も多様化しており、お墓にこだわりがない方も増えています。
さらに散骨は、本人が生前に業者へ申し込みをしておくことも可能です。身寄りのない方や誰かに管理を任せるのが難しい方でも、生前の思いを叶えられるのが散骨の特徴です。
散骨のデメリットは?
散骨には、メリットだけでなくデメリットもあります。ここからは、散骨のデメリットを3つご紹介しましょう。
お墓参りができない
お墓参りは、故人のことを思い返せる大切な時間です。そのような時間があることで、残された家族は心の整理をつけたり、気持ちを落ち着かせたりすることができます。
散骨は遺灰を自然に還すため、従来のようなお墓参りをすることは難しいです。お墓を定期的に訪れて故人に思いをはせたいと考える方は、散骨を後悔する可能性があるでしょう。
散骨できる場所が限られる
故人が思い出の場所へ散骨してほしいと遺言を残していても、必ずしも叶えられるわけではありません。例えば、湖・公園・観光地などへの散骨は原則として禁止されています。
いざ散骨しようと計画しても、適切な場所ではなかった、という可能性も。希望する場所に散骨が可能かどうか、事前にしっかりと確認しておくのがおすすめです。
遺骨を残せない
散骨をしたあと、遺骨をお墓へ入れたくなったり、手元に残しておきたかったと考えたりする可能性もあります。しかし、一度遺骨を自然へ撒いてしまったら、取り戻すことができないのは大きなデメリットです。
散骨の業者の中には、一部の遺灰を残せるプランを実施しているところもあります。故人をご自宅で偲びたい方にも安心です。
まとめ
ライフスタイルの変化や個人の希望により、散骨を希望する人は増えてきています。しかし、散骨にもメリット・デメリットはあります。
散骨後に後悔しないように、本人や家族同士でしっかりと話し合っておきしょう。