1975年代に米国で使われ始めたストレッチという言葉は、1970年代後半あたりから日本でもだんだんと使われるようになりました。今では誰もが知っている言葉であり、生活の中に取り入れている人も数多くいると思います。
特に、運動前のウォーミングアップや運動後のケアとしてストレッチを取り入れる人が多いと思いますが、ここでは改めてストレッチの持つ役割を理解し、その効果を最大限に引き出せるように説明していきたいと思います。
まずストレッチを行うことで得られる効果のなかであまり一般的には認識されていない効果のひとつに、関節の柔軟性を高める効果というものがあります。ストレッチを行うことで筋肉だけでなく関節の柔軟性も高まることにより、その結果として関節周りの可動域が大きくなります。
例えば、大腿内転筋の柔軟性を高めることで股関節周りの柔軟性も上がります。そうするとカラダの重心を低く保つことができるようになり、野球の守備やバレーボールなどのスポーツにおいて大切な下半身の基礎となる土台を固めることができ、ボールに対して素早く反応することが可能になります。
同様に肩関節の柔軟性を向上させればテニスやゴルフなどのスイング系の動きにおいてよりスムーズにスイングを行うことが可能となります。
次にストレッチの効果として挙げるのはすでにご存じの方も多いかもしれませんが、血流を良くするという効果です。ウォーミングアップ時に動的ストレッチを取り入れることで筋肉を温め、パフォーマンスアップや怪我の予防をするだけでなく、運動後にストレッチを行うことで疲労物質を筋肉から素早く取り除き疲労を残りにくくすることができます。運動の前後に適切なストレッチを取り入れることが怪我の予防や疲労回復のためにとても大切です。
そしてもう一つの大きな効果として、神経機能の向上があります。ストレッチを行うと精神的な興奮を抑えることができ、リラックス効果も期待できます。試合後などカラダも心も興奮状態にあるときはゆっくりとストレッチを行うことで、心もカラダもリラックスさせることができます。
また、精神的な疲れが溜まっている時もカラダを大きく伸ばすことでいくらかカラダがほぐれ、同時に心も少しほぐれます。ストレッチを行う際はこれらのことを意識して、ストレッチの持つ効果を最大限に感じてみてください。