レザークラフトの工房を構えている方がいます。観光地の近くということもあって、外は連日人で賑わっているそうですが、その工房の中にお邪魔した時には、表の喧騒を思わず忘れてしまいそうなほど、どこか分からないような土地に迷い込んだような、それでいて懐かしさも感じられる、そんな不思議な気持ちにさせられました。
どうしてこんな空間が生まれたのか。それは、彼が作り出した作品はもちろんのこと、壁や床、内装、さらには作品を置いておく台にもこだわり抜いていて、それがその空間を作り出していると言います。
それらが生み出した空間が情緒を呼び起こし、見る人によって動と静、伝統性と独自性、距離感と親密感などの様々な感覚を引き起こす気がします。
そんなセンシティブな空間に身を置いてしまえば、たちまち色々な想像ができるようになるとも思います。
素材が発するこの居心地のよい空間を味わうことで、レザークラフト作家の皆さんにもぜひインスピレーションを受けられると思います。 私もかの地に行ったときには、また彼の工房を訪れ、いろいろなインスピレーションを受けて、様々な点で活かせたらと考えています